警戒心が人間関係を邪魔にする
日本において、人はあるグループに属さない限り、なかなか声かけないし、親しくなりにくい。
それは多分昔から受け継がれてきた文化によるものが多いと思われる。島国で農業社会であるため、大陸のように遠くまで逃げず集団で働いてきた。また、地震、津波などの自然災害も多く、お互いに助け合う文化を継承してきたのである。
なので個人と集団は離れたくても離れない存在であり、村八分になってしまうと、グループの外で大変な生活を強いられたはずだ。そういうことがあって、現代においても集団から離れて一人になるのは、怖くて不安に感じる人が多いのではないかと思う。
その影響なのか日本人は集団の中で関係性を求め、集団とは関係ない人にはなかなか心を開いてくれないと思われる。
しかし、実は人間は出会いを求めているのだ。出会い系サイトとそこに登録している人の多さ、ほとんど人々が友達を求めている事を考えれば分かる。
ただ、人々は自分の身を玉ねぎのように何重も保護膜を重ねて警戒しているのだ。これは自己防衛本能によるものだが、日本人は集団意識が強いため、特にその傾向が強いと思われる。信じなければ海外に出かけてみると良い。
私が行った事がある中国、アメリカでは同じ集団でなくとも知らない人と話す人もよく見かける。
日本人は実は他人とつながりたいと思っていてもその保護膜があまりにもたくさん重ねられているため、それができないのだ。
その膜を外していけば、その中には弱くて純粋な本性が潜んでいて、弱いがために自身を守る膜を生まれてから積み重ねてきた。
今は少しずつそれを外す時期になったのではないか。それによって赤ちゃんのような純粋で素直な自分に戻り、他人にも本性から接するようになりたいし、みんなもそうなってほしい。